Job総研

『2024年 上司と部下の意識調査』を実施しました


Job総研による『2024年 上司と部下の意識調査』を実施
9割が”部下に忖度” 多様性に歩み寄り 招いた困惑の事態

〜 令和に垣間見える”昭和”の価値観 上司への忖度経験は7割超え〜


 

 キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ(※1)」を開発・運営する株式会社ライボ(本社:東京都渋谷区 代表取締役:森宏記 以下「ライボ」)の調査機関『Job総研(※2)』は、629人の社会人男女を対象に「2024年 上司と部下の意識調査」を実施しました。
 同調査は昭和から令和にかけて部下に求められることの変化有無と、その内容や変化の背景、また上司から見た理想の部下像や部下との関わり方及び部下への忖度経験、さらに上司への忖度経験、そして上司と部下の振る舞いにおける賛否などを調査しました。
 
 
 
【変わりゆく上司部下の関係性】
 令和に入り20代をはじめとした「Z世代」の登場や、働き方の多様性、価値観の変化などを背景に、職場内でのコミュニケーションのあり方が変化している昨今、上司と部下の関係性もまた例外ではありません。過去のJob総研調査(※3)では、部下に叱れない上司が6割いる一方で、”叱られたい”と考えている部下が多いことがわかっており、上司と部下のコミュニケーションに対する意識のギャップが見受けられます。パワハラやセクハラへの社会的な注目も集まっているこの状況で、部下として求められることや上司と部下の関係性はどのように変化しているのでしょうか。
 そこでJob総研では629人の社会人男女を対象に、昭和から令和にかけて部下に求められることの変化有無と、その内容や変化の背景、また上司から見た理想の部下像や部下との関わり方及び部下への忖度経験、さらに上司への忖度経験、そして上司と部下の振る舞いにおける賛否などを調査した「2024年 上司と部下の意識調査」を実施しました。
 

【調査概要】
調査対象者    :現在職を持つすべての社会人
          JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件     :全国 / 男女 / 20~50代
調査期間     :2024年1月31日~2月5日
有効回答数    :629人
調査方法     :インターネット調査


【TOPICS】
・部下に求められることが「変化している」の回答が77.8% 「プライベートの優先度」が最多
・上司の理想は「コミュニケーションを大切にする部下」 部下は「上司に敬意を払う」ことを意識
・上司の91.4%が部下への忖度経験「あり」 場面では「トラブルやミスが起きたとき」が最多
・部下の71.8%が上司へ忖度経験「あり」 忖度の内容は「気に入られるための同調」が最多
・全体の66.4%が「”部下が上司に合わせる”に賛成」 立場別の回答では上司の「賛成派」が多数

 
 

【部下に求められることの変化】
 回答者全体の629人に、部下に求められることは昭和から令和で変化したと感じるかを聞くと、「変化したと思う派」は77.8%で過半数を占め、内訳は「とても変化したと思う」22.4%、「変化したと思う」26.6%、「どちらかといえば変化したと思う」28.8%でした。「変化したと思う派」の上司・部下別の回答では双方で大きな差は見られず、上司が82.7%、部下が84.0%の結果になりました。

 

【変化の内容と背景】
 変化したと思うと回答した489人に変化内容(※3)を聞くと、「プライベートの優先度」が52.8%で最多となり、次いで「コミュニケーション」が48.5%、「職場や仕事に対する考え方」が42.7%と、上位3つの回答となりました。同回答者に変化に影響したと思う背景を聞くと、「労働環境の変化」が55.0%で最多となり、次いで「多様性の尊重」が52.8%、「ライフスタイルの多様化」が46.6%と、上位3つの回答となりました。

 

【部下の理想像と関わり方】
 現在部下がいると回答した162人に部下の理想像を聞くと、「コミュニケーションを大切にする」が59.7%で最多となり、次いで「自身の考えや提案を積極的に伝える」が50.0%、「自己管理と能力の向上に努める」が44.4%と、上位3つの回答となりました。現在上司がいると回答した487人に上司との関わりで意識することを聞くと、「敬意を払う」が60.9%で最多となり、次いで「コミュニケーションを大切にする」が56.5%、「上司の指示に従う」が53.6%と、上位3つの回答となりました。※更に詳細な集計データは別紙の「2024年 上司と部下の意識調査 報告書」をご参照ください(※4)
 
 

【部下への忖度経験】
 現在部下がいると回答した162人に部下への忖度経験を聞くと、「ある派」は91.4%で過半数を占め、内訳は「とてもある」17.9%、「ある」34.6%、「どちらかといえばある」38.9%でした。部下への忖度経験ありと回答した148人に具体的な忖度の内容を聞くと「トラブルやミスが起きたとき」が60.1%で最多となり、次いで「業務の優先順位や量の変更があるとき」が45.9%、「チームの雰囲気が良くないとき」が39.9%、と、上位3つの回答となりました。

 

【上司への忖度経験】
 現在上司がいると回答した487人に上司への忖度経験を聞くと、「ある派」は71.8%で過半数を占め、内訳は「とてもある」11.7%、「ある」29.3%、「どちらかといえばある」30.8%でした。上司への忖度経験ありと回答した部下277人に具体的な場面を聞くと、「気に入られるために同調をしておく」が58.1%で最多となり、次いで「衝突しないよう自分の意見を控える」が48.0%、「自身の評価を下げないため批判的意見は避ける」が45.8%と、上位3つの回答となりました。
 

【振る舞いへの賛否】
 回答者全体の629人に上司と部下の振る舞いへの賛否を聞くと「”部下が上司に合わせる”に賛成派」が66.4%で過半数を占め、内訳は「部下が合わせるにとても賛成」6.8%、「部下が合わせる風潮に賛成」16.4%、「どちらかといえば部下が合わせるに賛成」43.2%でした。上司部下別の回答では、上司の「”部下が上司に合わせる”への賛成派」が65.4%で最多となり、部下は64.8%の結果になりました。※更に詳細な集計データは別紙の「2024年 上司と部下の意識調査 報告書」をご参照ください(※4)

 
 

【回答者自由記述コメント】
上司と部下それぞれの視点から、「忖度」に関するコメントが顕著でした

◾️上司からのコメント
・私が部下だった時はなんでも上司に合わせるのが普通だった。今は部下が個人として尊重されている
・部下の方がものを言いやすい時代に変わった。パワハラを恐れ上司としては強く出にくい
・なんでもない一言がハラスメントに該当しないかとても気を遣う時はあるが、部下とは仲良くしたい
・下に気を遣わない上司の方が信用されない時代な気がする。お互い忖度をしあってなんぼの世の中
・昭和は部下が上司に忖度するのが当たり前だった。令和は上司も部下に忖度する時代なのかな

◾️部下からのコメント
・上司には忖度するが、それは上司に気に入ってもらい関係性を深めたいと思っているから
・案外忖度をすることで、一定の信頼や関係構築に繋がっているのかもと上司と関わっていて思う
・上司には一定自分の意見は言うようにしているが、その分忖度もして部下としての敬意を示している
・部下が忖度するのは令和でも変わらない。関係性維持のためにも上司を立てるのも部下の役割
・過度に上司を持ち上げるのは逆に信用が薄れる気がする。だが部下として上司に従うのは当たり前

■「上司と部下に関するコメント詳細」はこちら
 
 

【調査まとめ】
 今回実施した「2024年 上司と部下の意識調査」では、全体の8割が部下に求められることは昭和から令和で「変化したと思う」と回答する結果となりました。特に、昭和では長時間労働が一般的だったものが、令和では仕事とプライベートのバランスが重視されるなどの「プライベートの優先度」に変化を感じる回答が最多で、次ぐ「コミュニケーション」に関しては、重視されるものが上司からの指示への従順さから、令和ではチーム内での立ち回りに変化しているとされています。これらの変化には、「労働環境の変化」や「個人の価値観並びにライフススタイルの多様化」が影響しているとの回答が多数でした。2019年に開始した働き方改革や、それに伴うハラスメントのガイドラインの設置及びハラスメントの種類の増加、そして2020年に勢いを増したコロナ禍で一般的になったテレワークが、これらの変化に関係していると考えられます。
 そこで上司に部下への理想像を聞くと、「コミュニケーションを大切にする部下」を求める人が最多で、他にも「自身の考えや提案を積極的に伝える部下」が上位回答として挙げられた一方、上司と関わる際「敬意を払う」や「コミュニケーションを大切にする」、「上司の指示に従う」ことを意識している部下が多数となりました。コミュニケーションは双方が重視しているとわかるものの、上司と部下の間で考えている”コミュニケーション”の捉え方が異なると推察できます。”上司の意見に従う”など、部下からは”受動的”な意識が窺えた一方、上司は部下に、”自ら考えを持った提案“など、”能動的”な動きを期待していることからも、理想と実態にギャップが見られていることが背景にあると考えられます。
 また、上司の9割が部下への忖度経験が「ある」と回答し、具体的な場面では「トラブルやミスが起きたとき」「業務に変更があるとき」、「チームの雰囲気が良くないとき」など、一定ネガティブな雰囲気を持つ状況が上位回答として挙げられました。一方、部下の7割が上司への忖度経験が「ある」と回答しており、特に「気に入られるための同調」や「衝突/自身の評価を下げないよう意見を控える」部下が多数でした。このように、上司と部下は“互いに忖度し合う”状況が生まれていることがわかったものの、全体の6割強が「部下が上司に合わせる」ことに賛成派を示し、内訳では部下よりも上司の賛成派が多数の結果となりました。
 昭和から令和で様々な社会背景を経て、部下に求められることが変化しているのは自然だと考えられます。しかし、上司と部下の間で理想像と実際の意識にギャップが生じている結果から、互いに歩み寄りすぎると意思疎通だけでなく、期待値のズレが大きくなる可能性も考えられます。回答結果からも一定数「部下が合わせる」という、昭和の風潮が続く傾向も見られているため、職場でのコミュニケーションエラーを防ぐためにも、今後は双方が “上司も部下に忖度する時代“を前提としたコミュニケーションを取っていく必要が考えられる調査結果となりました。
 Job総研では今後も働き方に関連する様々な調査を実施し、リアルで透明度の高い情報を発信することで個が活躍する社会の実現を目指してまいります。

 
※取材についてのお問い合わせはプレスリリース最下部にある連絡先からお願いします。
 

【(※4) 2024年 上司と部下の意識調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます。
https://job-q.me/articles/15539
 

【(※3) 2023年 上司と部下の意識調査】
https://job-q.me/articles/14748
 

【(※2)Job総研について】
 Job総研は就職・転職やキャリア全般に関する研究や各種調査の実施により、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで就転職関連市場に貢献する事を目的とし立ち上げられました。
 就職・転職・働き方・ランキング・働く女性など多数のジャンルで信頼できる情報を発信していくことにより、就転職活動に役立てていただくことや、キャリアに関する不安や悩みを解決する一助として”個が活躍する社会により良い選択の機会”を提供し就転職市場に貢献してまいります。
 

【(※1)JobQについて】
 「あなたが知りたい”働く”は誰かが知っている」をコンセプトに運営するJobQの累計登録者数は40万人を超え、キャリアや転職に関する情報交換と相談ができるサービスです。具体的な企業名を検索して、現役社員や元社員による口コミだけではなく、仕事全般に関する悩みや就職・転職への不安など漠然とした内容も含まれ、匿名によるユーザ同士でコミュニケーションを取りながら、より良い選択をつくる場になっています。
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